直近の政権交代から10年が経過し、「1強多弱」という構図が定着しました。政治改革で目指した政権交代可能な二大政党制という枠組みは消えつつあり、漂流を続けている状態です。日本の政治体制はどこに向かうのか。
靖国神社参拝や憲法9条改正など保守派の論客として知られる稲田朋美元防衛相に野党時代の自民党などについてインタビューした。保守色を鮮明にした理由について「コアな支持層に向け、自民党こそ保守政党なんだとアピールしたかった」と振り返った。
――民主党が政権交代を果たし、野党に転落した自民党は、憲法改正草案をはじめ保守色を鮮明にしました。理由は何ですか。
「民主党政権と自民党政権の違いは何か、自民党とは何かということを突き詰める野党時代でした。党是の憲法改正にもう一度立ち返り、自民党らしい、保守らしい憲法改正をしようということで憲法改正草案を作ったので、かなり保守色が強いものになりました」
――戦略的にあえて保守色を強めた部分もあったのではありませんか。
「あったと思います。自民党は国民政党だから支持する人の中には右から左までいる。割と幅広い、多様な意見がある党ではある。しかし、自民党が保守だから応援をしてくれているコアな支持層がいる。そういう人たちに向けて自民党こそが日本を代表する保守政党なんだとアピールしたいというのはありました」
――野党・自民党はどんな政…