母から「悪魔の子」と言われて 宗教2世だった僕が思いを語る理由

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中井なつみ
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 信仰を持つ家庭に生まれた子どもたちをめぐる虐待問題。深い傷は消えないままだ。当事者の一人で、詩人として活動するiidabii(イーダビー)さん(32)が経験を語った。

母との最後の会話は

 「おまえは、悪魔の子だ!」

 中学3年生のとき、母と顔を合わせてしっかりと会話した最後の日に、こんな言葉をかけられた。

 きっかけは、これまで母に従って参加してきた宗教活動をやめたいと切り出したこと。やりたいことも制限されてきた。考えを伝えることで、これまでの葛藤や思いを受け止めてもらえるのでは、というわずかな期待もあった。でも母は心配してくれるのではなく、突き刺さるような冷たい目で見つめ、こう吐き捨てた。

 「この家族には、宗教を抜きにしたつながりなんて、なかったんだ」

 僕は、あなたの子じゃないの……? そう言いたい気持ちはぐっとのみ込んだ。それ以来、母とは会話らしい会話を交わしていない。21歳で家を出てからは、母とは一切の連絡を絶っている。元気にしているかどうかすらわからない。

ほかの2世信者らからも信仰を背景とする虐待などについて声が上がり、弁護士や医師らでつくる「エホバの証人問題支援弁護団」が立ち上がった。同弁護団は厚生労働省に証言などの情報を提供した。一方、エホバの証人日本支部は「組織に不満を持つ元関係者のコメントのみに基づいて、ゆがんだ報告や誤った結論が出されている。そうした意見は事実に反している」としている。

宗教一色、振りかざされる「ムチ」

 4人きょうだいの末っ子とし…

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    塚田穂高
    (上越教育大学大学院准教授=宗教社会学)
    2023年3月8日9時30分 投稿
    【視点】

    ・・・「家族内の問題」ではすまない、教団内文化の影響明らか 声を挙げたiidabiiさんの覚悟に感じ入る。また、悩み・苦しみを抱えた「宗教2世」当事者にとっての表現・言論活動の意味や可能性についても、考えさせられる内容。 いわゆる「宗教

    …続きを読む