プリンシパル米沢唯、あざを作りながら挑むコンテンポラリーダンス

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弓長理佳
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 「今までとは真逆(まぎゃく)のことをしている。おもしろいけど、日々あがいているような感じです」

 新国立劇場バレエ団で10年間、プリンシパルとして活躍する米沢唯がメインダンサーを務める作品「Rain」が11、12日に愛知県芸術劇場(名古屋)で初演を迎える。踊り慣れたクラシックバレエではなく、コンテンポラリーダンスの作品に出演することは、米沢にとって大きな挑戦だった。

モーム原作のコンテンポラリーダンス 名古屋の縁で

 この作品は、横浜にあるダンスハウス「Dance Base Yokohama」と、ダンス公演に力を入れる愛知県芸術劇場の連携企画。名古屋で育ち、バレエを習っていたという縁から、米沢の出演が決まった。

 作品は英国の作家サマセット・モームの短編小説「雨」に着想を得ており、長雨と伝染病によって南の島で身動きが取れなくなった人々の閉塞(へいそく)感や、価値観の違いから生まれる摩擦などをダンスによって描き出している。

 米沢が演じるのは、下品で奔放な女・トンプソン。人々は彼女をどうにか正そうとし、彼女は時折ひるみ、こびへつらうような様子を見せながらも、反抗的な態度を崩そうとしない……。

 バレエダンサーとして第一線で活躍してきた米沢唯さんですが、今作では「悩むことが多かった」と言います。困難を乗り越え、米沢さんがたどり着いた答えとは? 後半では、舞台美術や音楽についても説明しています。

「何をどうしたら…」 慣れない踊りにも苦労

 米沢は「トンプソンの役柄を…

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