コウノトリの「ひかる」「レイ」 抱卵始める

根岸敦生
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 栃木県小山市下生井の渡良瀬遊水地第2調節池内の人工巣塔で暮らしているコウノトリの「ひかる」(雄6歳)と「レイ」(雌3歳)のペアが、今年も卵を温めはじめた。小山市は観察記録を関係機関に照会した。近く正式に抱卵状態となったことが発表される予定。4年連続しての自然繁殖への期待が膨らんだ。

 IPPM―OWS(コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル)などの取り決めでは、コウノトリは1日7時間以上の観察で、親鳥が巣を長く離れることがなくなり、巣の上に伏している状態が50%以上なら産卵、80%を超えれば本格的な抱卵に入ったと判断される。

 旧渡良瀬遊水地コウノトリ見守り隊のメンバーの詳細な観察記録からは「ひかる」と「レイ」は3日ごろから抱卵の状態に入ったという。4日が「ヨシ焼き」で立っている時間が多かったものの、5日からは巣の上で伏している時間が80%以上となっていた。

 小山市下生井の人工巣塔では「ひかる」と「レイ」が交尾したり、巣材を運び上げたりするなど産卵の準備が2月から続いていた。

 「ひかる」が育てたコウノトリのうち、数羽は今も遊水地周辺で観察されている。繁殖期になり、親子でも「縄張り」の上空を旋回すると、ペアがくちばしを鳴らして威嚇する様子がみられていた。

 4日の「ヨシ焼き」では「ひかる」は煙と灰が舞う巣の上から離れなかった。月が明るかった6、7日の夜は、2羽はそろって巣塔の上にいて、1羽が伏せている傍らで、もう1羽が巣の縁に止まって夜を過ごしていた。

 「ひかる」と「レイ」はいずれも千葉県野田市の「こうのとりの里」で生まれた。「ひかる」のパートナーだった徳島県鳴門市生まれの「歌」(当時2歳)が2020年10月に死んだ後、カップルとなった。根岸敦生

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