「やっと届いた」石橋の監督実った執念 修学旅行で1人向かった聖地

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編集委員・稲崎航一
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(21日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 秋田・能代松陽―栃木・石橋)

 JR宇都宮駅から東北線で東京方面へ二つ目。栃木県下野市の石橋駅から、記憶を頼りに歩く。10分程度で石橋高校に着いた。

 2月上旬、取材で石橋を訪れた。三十数年前、わたしは栃木の県立高校で野球をしていた。

 練習試合で訪れた当時とほぼ同じ。右翼はサッカー部が練習していれば、60メートルほどしか使えない。グラウンドというより「校庭」という方が似合っていた。

 そんな恵まれない環境で、野球と勉強を両立させている選手を鍛え、21世紀枠で初の甲子園に導いたのが福田博之監督(57)だ。

 「さすがにうれしいですよね。子どもたちに恵まれてチャンスをもらった」。遠くを見るような目でつぶやく。

 昨秋の県大会で4強入りした石橋は県立の進学校。昨年度は135人が国公立大学に合格した。

 21世紀枠の関東・東京地区の候補校に選ばれたのは2017、21年に続き3回目となる。

 だが、福田監督にとって実は…

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