中国全人代、李強氏を新首相に選出 習氏側近、「経験不足」の指摘も

北京=高田正幸
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 中国の全国人民代表大会全人代)は11日、新たな首相に李強(リーチアン)・共産党政治局常務委員(63)を選出した。習近平(シーチンピン)指導部のナンバー2として政府部門を率いる。米中対立の激化や人口減少など中国は難局を迎えており、李氏の行政手腕が問われることになる。

 全人代はこの日午前、全体会議を開催。習氏が李氏を首相に指名し、約3千人の代表(議員)の投票を経て選出された。これまで首相を務めていた李克強(リーコーチアン)氏は正式に退任した。

 李強氏は浙江省出身で、習氏が同省トップの書記だったころ秘書役で仕えた。その後、江蘇省上海市の書記を経験し、昨年秋の共産党大会を経て最高指導部の党政治局常務委員に習氏に次ぐ序列2位で加わった。習氏の強い意向があったとみられている。

 李氏は中央での行政経験がない。副首相経験のない首相は、初代首相の周恩来を除き初めてで、経験不足を指摘する意見もある。

 李氏は全人代が閉幕する13日、首相として初めての記者会見に臨む。国内外メディアの質問に応じる予定で、発言に注目が集まる。

 今回の全人代ではすでに、習氏の国家主席としての3選を決めた。12日には新たな副首相や国務委員、閣僚などの人事を決める。(北京=高田正幸)

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