初もうで中に人命救助 ごった返す参拝客かき分け応急手当て
伊藤誠
寺を参拝中に倒れ、心肺停止状態にあった高齢の男性を迅速な応急手当てで救ったとして、奈良県生駒市の福祉事業所スタッフ、八伏和生(やぶせかずき)さん(27)が10日、市消防本部で川端信一郎・市消防長から感謝状を贈られた。
市消防署などによると、今年の元日午後2時ごろ、生駒山上にある宝山寺境内の階段で、参拝に来ていた70代男性が突然倒れた。八伏さんは父親の秀治さん(63)、母親の生恵さん(57)らと奈良市から初詣に来ていて、異変に気づいた秀治さんが八伏さんに「倒れてる」と知らせた。
5年前から、仕事で障害者らの訪問介護をしている八伏さん。参拝者でごった返すなか、「『すみません』と言いながらかき分けて、男性のところに駆け寄りました。何の迷いも無かった」という。すでに心肺蘇生の胸骨圧迫(心臓マッサージ)をしていた警察官から引き継ぎ、何分か胸骨圧迫を続けた。
駆けつけた消防職員が男性を運んでいき、夕方に「男性は無事です」と連絡があった。八伏さんは、心肺蘇生の研修を何度か受けた程度だったが、とっさの判断で人命救助に生かすことができた。「息を吹き返すかどうか心配でしたが、安心しました」と笑顔で振り返った。(伊藤誠)
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