第15回「ねじれ国会ぐらいがいい」 多弱野党の政権監視、脇雅史氏に聞く
2010年参院選で自民党は勝利を収め、参院で多数派となり、衆参の「ねじれ国会」が誕生しました。当時、参院自民党で国会対策の責任者を務めたのが脇雅史氏でした。脇氏は「旧民主政権が1日長もちすれば、1日国民が不幸になる」と考え、「参院多数」を武器に徹底追及する方針を掲げたと証言しました。
しかし、16年に政界を引退して振り返ると、政治による政権監視能力を高めるためには「むしろ『ねじれ国会』ぐらいの方がいいと思います」と語りました。岸田政権下の「不祥事や政権の対応は変だ」との懸念があるためです。
――多数派となった参院で国会対策の責任者である国対委員長でした。
「あの頃、『この政権が1日長もちすれば、1日国民が不幸になる。だから、一日も早く、この政権を倒さねばなりません。そのために何でもします』と言っていました。野党国対は、政権を奪還するためのもの。今までのやり方でいいわけがない。人殺しはしないけれども、相当なことをしないといけない。スジを通した上で、やるべきことはすべてやるぞ、と」
――質問者が閣僚の「クビ」を取る「一人一殺」方針を掲げました。
「とにかく内閣を打倒するた…
- 【視点】
民主主義は、そもそも面倒なものです。日本には1億人ぐらい有権者がいて、それぞれに思いや生活、人権があります。それが、一部の極端な考え方を持つ集団によって国の統治がのっとられることで、多くの人が圧迫される危険がありうるのです。二院制というシス