台風で浸水の川崎市市民ミュージアム 移転先は多摩区の生田緑地に

佐藤英法
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 【神奈川】2019年の台風19号浸水被害を受けた川崎市市民ミュージアム中原区、休館中)の移転候補地について、市は10日、多摩区長尾2丁目にある生田緑地ばら苑に隣接する市有地(約8600平方メートル)を選んだと発表した。29年以降のオープンをめざす。

 市によると、候補地はばら苑開園時の臨時駐車場。小田急電鉄の向ケ丘遊園跡地で、02年に閉園した後に市が引き継いだ。周辺には日本民家園や岡本太郎美術館、「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」などの文化施設がある。

 標高は約56メートルで浸水などの被害想定区域に該当しないという。市は浸水被害を踏まえ、「可能な限り被災リスクが少ない場所を最優先の条件とした」と説明している。

 移転先でも博物館と美術館が融合した機能を持たせる。1980年代から2000年代に設けられた公設美術館(67館)の平均延べ床面積(9746平方メートル)以上を確保する構想だという。今後、基本計画や管理運営計画を定める。

 市民ミュージアムは台風で収蔵品計30万6635点のうち24万5643点が被災した。廃棄分を除いた約17万点のうち、これまでに約4万点を修復。残りの修復対象は約13万点で、10年程度かかるとみている。(佐藤英法)

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