イラクやアフガニスタンで駐留軍を率い、米中央情報局(CIA)長官も務めた元米軍司令官の目に、ウクライナの戦いはどう映るのでしょうか。デビッド・ペトレイアス氏に、欧米が提供する戦車の効果が出てくる時期なども踏まえた戦況の見通しを聞きました。
――この1年の戦いをどう振り返りますか。
ウクライナ軍は信じられないほどよくやったと思います。米国や北大西洋条約機構(NATO)も、予想よりもはるかに多く、見事な支援をしてきました。
ロシア軍は惨めな結果を残しています。多くの点で、旧ソ連の基本原則によって動く軍隊です。専門の下士官を持たず、徴兵制に大きく依存し、訓練は極めて不十分。予想されたほど装備も整っておらず、作戦面でも指導力に欠けていました。指揮統制や通信、軍需品の補給もまったく不十分です。
徴兵制に依存、指導力に欠け、敵を殴り倒すだけ…ロシア軍の弱み
――具体的にはどのような弱点が目立ちますか。
戦力を組み合わせるのが不得…
- 【視点】
ロシアがウクライナを相手にここまで苦戦を強いられるとは、私にとってはまったくの予想外でした。しかし問題は、プーチン大統領が今のところまったくファイティングポーズを崩していないことです。ロシア軍や動員兵らの膨大な人的損失などまったく気にもして
- 【視点】
2014年にキーウで親ロシア派政権が倒されたマイダン革命が起き、ロシアがクリミアを編入した時期に現地で取材をしました。ロシア系住民が多数を占めるウクライナ東部では自治権拡大を求める住民らのデモが起き、東部国境を防備するウクライナ軍の活動を妨

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