徳川家重の賢明さ描いた「大奥」 奇抜な設定、歴史研究者の評価は

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聞き手・平賀拓史
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 男女逆転の江戸時代を描くNHKドラマ「大奥」。子作りを強制される女将軍の悲哀を描いてきた第1期が、14日に最終回を迎える(秋に第2期が放送予定)。よしながふみさんの原作マンガは奇抜な設定ながら、時代背景や歴史上の出来事を堅実にふまえた作品として、歴史ファンの評価も高い。実際の大奥はどんな場所だったのか、「大奥」ではどうアレンジされているのか。大奥を長く研究してきた国学院大学非常勤講師の畑尚子さん(日本近世史)に聞いた。

 ――「大奥」は男女逆転というフィクションですが、実在した人物も多く登場します。

 私が研究している幕末大奥での権力者で、瀧山という老女がいます。マンガ「大奥」でも、幕末の動乱で重要な役割を果たす人物として描かれています。

 作中には、御三卿田安家の当主・慶頼が、甲斐(かい、山梨県)からの領地替えを差し止めてもらおうと、瀧山に文書で陳情する場面があります。瀧山は14代将軍家茂の正室の和宮と、13代家定の正室だった天璋院(篤姫)にも相談して、老中と交渉します。瀧山の権力がうかがえるエピソードです。

 よしながさんは知る人ぞ知るエピソードを拾うだけでなく、この史実を巧みに扱っています。

 領地替えは西への備えのため…

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