全日本吹奏楽コンで大学枠が2増 コロナ禍で苦しむ大学吹部へエール
全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)大学の部の出場枠が、2023年度から二つ増えて15になる。長期の活動停止などコロナ禍で活動に大きな制約を受けた大学吹奏楽を活性化させ、元気づけるねらいがある。
2月末、都内で3年ぶりに開かれた東京都大学吹奏楽連盟(都大吹連)の合同演奏会。23の大学と高専の約170人が、コロナ禍では難しかった大編成での演奏と、学校の壁を越えた交流を楽しんだ。
コロナ禍でコンクールの入場料など収入が激減し、連盟の財政が逼迫(ひっぱく)しているため練習回数を減らし、感染対策のため合宿を見送って何とか開催にこぎ着けた。「実現して本当によかった」。演奏会を切り盛りした大学生理事たちも笑顔を見せた。
コロナ禍に見舞われた3年間、東京をはじめとした都市部の大学の吹奏楽活動は、とりわけ大きな影響を受けた。公共交通機関での長距離通学や、「密」になりやすい大規模教室での講義といった感染リスクの高さから、多くの大学がキャンパスを閉鎖。授業はリモート化され、課外活動も軒並み停止となった。
中でも吹奏楽は①活動場所が屋内②人数が多い③楽器を吹く時マスクを外す、といった点からより制約がかかり、活動停止は長期化した。学生と大学側とで協議を重ねてガイドラインを作るなどして活動再開への道筋を徐々に切りひらいたが、都内では昨年秋まで活動できない団体もあった。
影響は、全日本吹奏楽コンクールの参加団体数にも表れた。
コロナ禍による中止を経て再…