不安心理が続けば「第3、第4の破綻も」 米銀襲う危機、この先は?

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聞き手・山本恭介
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 米銀中堅のシリコンバレーバンク(SVB)とシグネチャー・バンクが相次いで破綻(はたん)した。米国内でのさらなる連鎖破綻や、日本の金融機関への影響はあるのか。日米の金融機関に詳しい、みずほ証券シニアクレジットアナリストの辻宏樹氏に話を聞いた。

    ◇

 SVBはスタートアップ企業との取引が豊富な銀行で、預金残高を近年急速に拡大させてきた。その資金で米国債などを積極的に購入してきた。だが、この二つのバランスが悪かった。

 すぐに引き出される可能性がある預金の残高に対して、SVBが満期まで保有する目的で買っていた債券の割合は他行と比べ突出して高かった。

 預金の流出で、このバランスの悪さが突かれた格好になり、経営の機動性を損なうことになった。債券は満期保有を前提とした会計区分で買っていたため、利上げで金利が上昇し、債券価格が下落したときに損切りできず、含み損が拡大した。

 顧客がスタートアップ企業に…

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