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マスク着脱、13日から「個人で判断」 卒業式どうする

新型コロナウイルス

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 新型コロナウイルス感染対策として、政府が推奨してきたマスク着用が13日から、屋内外を問わず「個人の判断」に委ねられた。卒業式を迎える学校に対し、文部科学省は2月、「マスクを外すことを基本」とする通知を出した。千葉県内の全54市町村に取材すると、それぞれの状況に応じて工夫する自治体もあった。

 18日に卒業式を予定している匝瑳市立椿海(ちんかい)小学校は13日朝、式典の予行演習をした。あいさつの練習から卒業証書授与、退場まで細かい動きを確認した。

 式典中、卒業生はマスクを外し、合唱では着ける。本人の意向を尊重し、希望する卒業生は着用できるようにした。

 鈴木楓麻さん(12)はマスクを外すことに少し恥ずかしさがあるが、「最後なので、表情を見せて自分の思いを伝えたい」。沢野來桃(くるみ)さん(12)もずっと着けていたマスクを外すことに抵抗があるというが、「卒業式では、家族や友達に笑顔を見せたい」と話した。

 合唱時のマスク着用については、2人から「ちょっと苦しい」「声が響きにくい」という意見も出た。

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 文科省が2月10日に出した通知によると、児童生徒と教職員は国歌・校歌斉唱と合唱、呼びかけを除き、「マスクを外すことを基本とする」。保護者と来賓は「マスクを着用し、距離を確保した上で、参加人数の制限は不要」とした。

 千葉県教育委員会も2月、県立学校や市町村教育委員会に同様の通知をした。取材した県内の自治体の大半は「国や県の通知に準じる」と回答したが、置かれている状況に合わせて対応を決める自治体も多かった。

 銚子市や匝瑳市は在校生のマスク着用を求めた。匝瑳市は「在校生には小さな子どももいる。場面ごとにマスクの着脱をすると混乱するので、一律に着用とした」と説明する。

 旭市や山武市は体育館の規模や参加者数などに応じて在校生のマスク着用を判断する。横芝光町は在校生のクラスが一つの学校ではマスクを外し、複数のクラスがある学校は着ける。

 東庄町では在校生に加えて教職員もマスクを着用し、登壇した際は外す。

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 児童や生徒数など学校の規模の違いやインフルエンザの流行を含め、実情に合わせて各学校が決めるとしたのは、館山市勝浦市市原市四街道市八街市印西市大網白里市など。富津市は来賓の数を最低限に抑える。

 合唱する際も「距離が保てるなら、マスクを外しても良い」のは、袖ケ浦市や長柄町、鋸南町、長生村。10日に卒業式があった袖ケ浦市内の四つの中学校では合唱中にマスクを外した。

 佐倉市東金市は「一律に着用を求めない」。佐倉市は「個人の主体的選択を尊重したい」、東金市は「本人や保護者の考えによる」とした。南房総市はマスク着用を希望する児童生徒がいた場合、保護者に確認する。

 柏市は学校側の感染症対策を前提に「式全体を通じて各自の判断に任せる」。児童生徒や教職員だけでなく、保護者にもマスク着用を求めない方針を市長と教育長の連名で保護者に伝えた。「基礎疾患のある高齢者や受験を控えた子どもが同居している」と反対する意見や「こういう判断をしていただき、助かる」と賛成する声が寄せられた。

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 九州産業大の稲田尚史教授(臨床心理学)の話 コロナ禍の3年間、子どもたちはマスクで顔が半分しか見えず、相手の表情を読み取ったり、気持ちを伝えたりする方法を十分に学べなかった。入学式や卒業式などの行事がなく、給食はおしゃべりができない状態で、本来経験するはずだった交流ができずに過ごした。その結果、コミュニケーション能力の発達に影響を与えた可能性がある。

 一方、他人との気持ちのやりとりが苦手で、表情を見られたくない子どもにとって、マスクは好ましい存在だった。外すことを強制されれば、学校に行きたくないと思う子どもも出てくる。押しつけではなくても同調圧力はあり、自分だけ外さないことに抵抗を感じることもある。

 マスクの着脱を強制せず、一定の枠内での自由を保障することが大切だ。児童や生徒、教職員、保護者は着脱にこだわりすぎないでほしい。多様な価値観を許し、思いやりを持って認め合うことが大事だ。

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文科省が2月10日に出した卒業式に関する通知

【児童生徒・教職員】

・基本的な考え方

式全体を通じてマスクを外すことを基本とする

・マスク不要の場面

入退場、式辞、祝辞、開式・閉式の辞、卒業証書授与、送辞・答辞

・マスク着用の場面

国歌・校歌斉唱、合唱、呼びかけ

【保護者・来賓】

・マスク着用を求め、座席間に触れ合わない程度の距離を確保した上で、参加人数の制限はしない

※留意事項

基礎疾患があるなど様々な事情で感染の不安を抱き、着用を希望する児童生徒や健康上の理由で着用できない児童生徒もいるため、学校や教職員が着脱を強制しない

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