ウクライナ「対岸の火事ではない」、戦略的ODA強調 開発協力白書

高橋杏璃
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 外務省は14日、政府の途上国援助(ODA)の実績などをまとめた「2022年版開発協力白書」を発表した。ロシアによるウクライナ侵攻は「決して対岸の火事ではない」と指摘。法の支配に基づく国際秩序を守り抜くには途上国などとの関係を強化する必要があるとして、「一層戦略的・効果的な開発協力を行っていく」とした。

 白書ではウクライナ支援を特集し、主要7カ国(G7)と連携して保健・医療、食料、避難民の保護といった人道支援に取り組んできたと説明。侵攻によるエネルギーや食料の価格高騰で深刻な影響を受ける「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国・途上国への支援も強化していると強調した。開発協力白書で「グローバル・サウス」という言葉を使うのは初めてだという。

 21年の日本のODA実績は約176億ドル(約1兆9千億円)。新型コロナ対応の緊急支援などにより前年より8%増えた。経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会の29カ国のなかでは米国とドイツに次ぐ3位だった。国連は国民総所得(GNI)に対するODAの比率を0・7%とする目標を掲げるが、日本は0・34%で12位にとどまった。(高橋杏璃)

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