1400キロの距離を乗り越えて 周囲の支えで初の全日本アンコンへ
魚住ゆかり
出場権を獲得したのに、「全国」に出られなかったかもしれない。
第46回全日本アンサンブルコンテスト(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)に初出場する北海道の名寄市立大学吹奏楽団はそんな危機を迎えていた。
出場権を得てから1カ月。北海道内外の人たちに助けられ、19日、団として初めての舞台に臨む。
「えっ、いま呼ばれた? ほんとに?」
2月18日、札幌市で開かれた北海道アンサンブルコンテストの表彰式。大学の部は、1団体しか全国へ進めない。唯一の代表として校名が読み上げられると、7人はうれし涙にくれた。
「演奏には自信がありましたが、全国大会常連校を抑えて代表になれるとは思えなくて」。リーダーの高橋柊(しゅう)さん(3年)は言う。
しかし、感動をかみしめたのもつかの間、遠征準備に追われた。
大学のある名寄市は、旭川市の北約70キロ。例年道大会が開かれる札幌市へ、旭川経由で向かう約200キロの遠征経験はあるが、道外への遠征は初めてだ。まして全国が開かれる静岡県浜松市は約1400キロ先だ。
もともと北海道勢には、遠征…