第2回みそタンクの衣類、誰が入れた? 元巡査が語った捜索 袴田さん再審
植松敬 村上友里 黒田壮吉
「袴田、血染めシャツを否認」
1967年9月14日付の朝日新聞静岡版。「静岡地検が、さきに発見された血染めのシャツなどを有力証拠として申請したため」に「臨時公判」が開かれ、袴田巌さん(87)は自分の物ではないと否定したと、伝えている。いわゆる「5点の衣類」の登場は、22行の小さな記事だった。
前年の66年6月にみそ製造会社の専務一家が殺害され、約2カ月後に従業員の袴田さんが逮捕された事件。5点の衣類は、別の従業員が67年8月31日、みそ工場の「1号タンク」内で、仕事中に見つけた。
「赤みそをスコップですくい上げている時、南京袋の端が見えた」「白いシャツやステテコには血と分かるシミがべっとりついていた」。後にそう証言した。
新人弁護士に任せられた担当
検察は当初、犯行時の着衣は…
- 【視点】
「本当の犯人は誰なのか」という最後の言葉が刺さりました。 「袴田事件」という呼び方で呼ばれることが多い事件ですが、この呼び方でよいのだろうか、と思うことがあります。朝日新聞のデータベースで調べて見ると、死刑判決が確定した後、再審請求を