春連覇めざす大阪桐蔭、無名の黎明期を支えた「あの強豪校」との縁
岡純太郎
春夏合わせて甲子園9回優勝の大阪桐蔭は、選抜大会の連覇を目指して今年の甲子園に乗り込む。そんな大阪桐蔭の黎明(れいめい)期を部長として支えたのは、「あの強豪校」の元主将だった。甲子園の歴史に記録と記憶を刻み続ける大阪桐蔭の「はじまり」とは。
「優勝旗は想像していた以上に『ずしり』と重たかった」
大阪桐蔭の元部長、森岡正晃さん(60)は、甲子園のグラウンドで当時の主将から手渡された優勝旗の感覚を今でも鮮明に覚えている。
1991年。それは後に一時代を築く大阪桐蔭が甲子園の舞台に彗星(すいせい)のごとく現れた年だった。
創部4年目という短期間ながら、初出場の選抜大会8強、夏の選手権大会優勝と強烈なインパクトを高校野球史に残した。
大阪桐蔭野球部は88年、大阪産大付の大東校舎が新たに独立した際に創部。そこで森岡さんは教諭として赴任し、初代部長に就任した。
「はざまの世代」と呼ばれて
高校時代の森岡さんは投手で…