第3回立憲、「中道回帰」で目指す政権奪還の道 リベラル派にくすぶる反発

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 直近の政権交代から10年が経過し、「1強多弱」という構図が定着した。政治改革で目指した政権交代可能な二大政党制という枠組みは消えつつあり、漂流を続けた。日本の政治体制はどこに向かうのか。与野党議員らの証言を交え、その針路を考える。

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 立憲民主党が昨年12月9日に開いた防衛政策に関する会合には、50人以上が駆けつけた。議題は、岸田政権が保有することを決めた「敵基地攻撃能力」(反撃能力)。長距離ミサイルの配備の必要性をめぐり、「軍拡競争になってしまう」という懸念や「専守防衛から逸脱する」という憲法違反を指摘する声など、反対意見が続出。会合は2時間近くに及んだ。

 この3日前、リベラル派筆頭格の立憲の辻元清美参院議員は、会合への出席を党内のリベラル系議員らに呼びかけた。ある出席者は「うちの党のアイデンティティーをどう出すかだ」。リベラル路線を守るための行動だが、党内には正反対の意見もある。

 「安全保障政策はもう少し中道に寄る必要がある。少数だが国際情勢に関する現状認識が甘すぎる人が党内にいることは事実だ」(玄葉光一郎元外相)

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年3月18日10時24分 投稿
    【視点】

    民主党政権後の野党の迷走は、民主党政権が失敗だったというトラウマによるところが大きいと思っています。確かに民主党政権は混乱しましたが、日本の政治に対する功績もありました。成功体験を見つめ直し、今の立憲民主党の「アイデンティティー」に生かせな

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