17年前、王さんは叫んだ「立つな!」 WBC優勝への勝負師の気迫

有料記事福岡ソフトバンクホークス

鷹見正之
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 勝負師とはこういうものなのか。その迫力に圧倒された。

 2006年、福岡ソフトバンクホークス王貞治監督(現・球団会長)が率いる日本代表は、第1回ワールド・ベースボール・クラシックWBC)に挑んだ。

 今とは大会方式が違った。日本代表は米国に渡って4チームによる2次リーグを戦い、米国に負け、メキシコに勝ち、韓国に負けての1勝2敗で終えた。

 翌日の米国―メキシコの結果次第で、日本が準決勝に進出する可能性は残っていた。

 その条件はメキシコの勝利――。

 だが、米国が負ける可能性は限りなく低いと思われた。

 すでに2敗していたメキシコは試合前日練習を取りやめ、ディズニーランドに遊びに行ったとの情報も入っていた。

 王監督は番記者10人ほどを…

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    中川文如
    (朝日新聞スポーツ部次長)
    2023年3月15日11時30分 投稿
    【視点】

    中華料理店で「奇跡」が起きた2006年の第1回WBC。開幕前、日本代表の背番号が発表された時のことです。背番号、選手にとっては名刺みたいなものです。私たち記者にとっても、記事を書く大切なきっかけとなります。 当時、王監督はソフトバンクで「

    …続きを読む
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