第5回政権交代へ「小異を捨て大同を」 野党が目指すべき「不自然な連合」

有料記事

[PR]

 漂流を続ける日本政治をどう考えればいいのか。有識者に聞いた。

同志社大学・吉田徹教授(比較政治)

 ――この10年の政界をどう評価していますか。

 「2012年以降は自民党が右傾化し、これに抗するために日本のリベラル勢も重心をさらに左に移した。岩盤リベラル支持層への訴求力はあったが、無党派層からは敬遠された。民主党の分裂もあり、政権交代は遠のいた」

 ――野党は何をめざすべきですか。

 「政権交代を実現する野党がいいのか、権力に対するチェック・アンド・バランスを効かせる野党がいいのか。長期政権は、腐敗し、透明性・説明責任の問題があるので、それに対峙(たいじ)する必要がある」

 「三権分立と言うが、日本の場合、議会制民主主義で立法府と行政府が融合する。行政に対する監視を果たしにくい。司法も政治的判断を回避する。そうすると、権力を抑止できるのは野党。民主主義のあり方を考えた場合も、野党が果たす役割は非常に大きい」

 ――野党の役割は権力の抑止で、政権交代は不要だということですか。

 「政権交代があれば、違う政…

この記事は有料記事です。残り1029文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

連載漂流10年 沈む2大政党(全17回)

この連載の一覧を見る