カザフスタン出身の金峰山 大使館が挙げた力の源は「伝統」「好物」

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清水優志
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(14日 大相撲春場所3日目)

 まだ大銀杏(おおいちょう)を結えない、ちょんまげ頭。それが出世の早さを物語る。新入幕金峰山(きんぼうざん)は、2021年九州場所で三段目100枚目格付け出しとしてデビューすると、一度も負け越すこと無く所要8場所で幕内までたどり着いた。

 この日は北青鵬との新入幕、2連勝同士の一番。まわしを取りにいったが、相手得意の右四つに持ち込まれた。192センチ、174キロの体格を生かした突っ張りという持ち味を出せない。そのまま寄り切られ、天を仰いだ。師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)も「突っ張った時の強さが違う。ばんばん押し込んでいってほしい」と話すが、組んでも戦える器用さがあだとなった。

 本名はバルタグル・イェルシン。中央アジアに位置するカザフスタン出身として初の幕内力士だ。相撲を始めたのは19歳。母国では柔道をやっていたが、その様子を見た元横綱朝青龍から「相撲を覚えれば強くなれる」と声をかけられ、来日を決めた。「柔道って相撲みたいじゃないですか。強いやつがずっと強いわけでなく、勝ったり負けたりとかする」

 スピード出世を支える力の源を知ろうと、在日カザフスタン大使館に聞いた。広報担当者が挙げた要因は二つ。

 まずは格闘技・武道の盛んさ…

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