小売り大手イオングループの中核企業で、総合スーパーを展開するイオンリテールは今月、売り場の責任者を務めるパート社員について、同じ業務に就く正社員との待遇差を完全になくす制度を始めた。基本給や手当から賞与(ボーナス)、退職金に至るまで、1時間あたりの支給額を正社員と同じ水準にそろえる。
正社員が受け取る退職金や賞与と同等の額をパート社員に支給するのは大企業では異例。人手不足が深刻な小売業界で、非正社員の処遇を引き上げる動きが一段と広がる可能性がある。
自宅から通える範囲の店舗に勤務地を限る「地域限定正社員」と同じ仕事をしているパート社員について、正社員と同様の資格制度を設けた。フルタイム勤務でなくても昇格や昇給ができるようにした。
月120時間以上働き、「マネージャー」や「リーダー」と呼ばれる店舗の売り場責任者の一部が対象となる。昨秋の昇格試験に合格した42人にまず適用し、今後は年400人規模で増やしていく計画だ。
■手当、ボーナス、退職金…ど…
- 【視点】
図解の身分別等級表がとても日本型。「義務教育卒の兵士にも下士官登用の道を開いた」という類の改革は、「青空の見える人事制度」という名称で戦後日本の企業が行ってきたものだ。 もちろん、やらないよりは、やった方がいい改革である。しかし、あら