小売り大手イオングループの中核企業で、国内各地で総合スーパーを展開するイオンリテールが、正社員と同等の仕事をしているパート社員の待遇を、正社員と均等にする制度の導入に踏み切った。人口減や少子高齢化が進む中で、人材の確保を図る狙いがある。
小売業界は離職率が高く、人材の定着に課題を抱える。売り場の責任者を正社員に頼りすぎるのは今後難しくなるとみて、中核人材に占めるパート社員の比率を高める。国内店舗網の持続的な運営につなげるため、「同一労働同一賃金の実現を強く意識した」(人事部)という。
従来の資格制度は、正社員とパート社員で完全に区別されていた。パート社員から正社員への登用制度はあるが、キャリアアップを望むパート社員は正社員登用の道を選ぶしかなかった。この仕組みを改め、パート社員を続けながら、正社員と同等の処遇が得られる昇格・昇給に道を開く。
パートのままキャリアアップ可能に
同社の正社員には、全国的な…
- 【解説】
イオングループは日本でもっとも多くのパート従業員を雇用している企業であり、日本全体のパート従業員の4%近くが同社グループに雇用されています。イオンリテールはグループの中核企業であり、こうした企業において正社員とパートを同待遇にする影響は大き
- 【視点】
パート労働者が、パートで働きながらキャリアを形成できる、という点が重要です。イオンリテールは、かなり前から正社員と非正社員との格差是正を進めてきた企業として知られています。同社の労働組合は、早くからパート社員の組織化を進め、処遇改善を図って