第1回候補予定者全員のポスターに知事の顔 「みんな知事派?」その訳は…

有料記事統一地方選挙2023

西田有里
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 埼玉県議選の告示まで約2週間になり、立候補予定者たちの写った2連や3連のポスターが目につくようになってきた。

 知名度の高い国会議員や地元の首長などと一緒のケースが多いが、今回は県内の多くの選挙区で党や会派を超えてよく見る顔がある。大野元裕知事だ。

 すべての予定者と一緒に写っている選挙区すらある。なぜこんなことになっているのか。

 3月上旬の平日。県庁のあるさいたま市浦和区から約1時間半車を走らせた。

 向かったのは、北3区(定数3、深谷市・美里町・寄居町)にある深谷市だ。

 この選挙区では、いずれも自民の小川真一郎氏と神尾高善氏、無所属の江原久美子氏の現職3人が立候補を予定している。

 今のところ無投票の可能性がある。

野党の支援受け知事に

 市内を歩くと、あちこちに3人のポスターがあった。

 それぞれデザインやキャッチフレーズは違っていたが、どれも笑顔の大野知事が写っていた。

 深谷市内のスーパーマーケット「ベルク」周辺やJR深谷駅前で話を聞いた。

 スーパーに来ていた男性(94)は「ポスターには選挙区内の県議が全員知事と近しいという印象を受ける。1人くらい知事に異議を唱える人がいないと困る」と苦言を呈した。

 近くで犬の散歩をしていた飲食業の男性(70)も、「みんな知事派という感じ。政治スタンスが見えにくくて、紛らわしい。選挙になったら、それぞれの主張を見極めなくてはいけない」。

 そもそも大野知事は4年前の知事選で、立憲、国民、共産など野党の支援を受けて自公推薦候補をやぶり当選した経緯がある。

 県議会でも当初は自民会派の一部に対決姿勢があったが、次第に双方が歩み寄るようになった。

 2月にあった自民の統一地方…

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2023年3月18日11時56分 投稿
    【視点】

    地方自治における知事の権限は絶大です。「知事部局」という言葉が県庁などでよく使われるのですが、これは人事権を含む知事の指揮監督が直接及ぶ部局のことを言います。教員委員会や公安委員会などはこれにあたりませんが、ほとんどの行政が知事の権力下にあ

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