台湾副総統が来年の総統選へ出馬表明 焦点の中台関係、日本にも影響

台北=石田耕一郎
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 来年1月13日にある台湾の総統選に、蔡英文(ツァイインウェン)政権で副総統を務める与党・民進党の頼清徳(ライチントー)主席(党首、63)が15日、立候補を表明した。民進党に他に有力な候補はおらず、近く党の公認を得る見通しだ。中台関係の緊張が続く中、日本の外交にも影響する長丁場の選挙活動が幕を開けた。

 頼氏は15日、民進党本部に党の公認を求める手続きをした。会見で「中国からの統一圧力は強まるばかりだ。台湾を率い、社会を団結させる機会を与えて欲しい」と訴えた。

 総統任期は1期4年で連続2期まで。蔡総統は現在2期目のため、立候補できない。台湾では1996年に住民の直接選挙で総統を選ぶ制度になった後、民進党と国民党が最長8年で政権交代を繰り返してきた。過去にはいずれも対中関係が争点になっており、台湾のあり方をめぐる有権者の判断が注目される。

 一方、最大野党の国民党では、朱立倫(チューリールン)主席が現時点では立候補を見送る意向を示しており、元警政署長(警察庁長官)で有権者の人気も高い侯友宜(ホウユーイー)・新北市長(65)の動向に注目が集まる。同党は6月までには公認候補を決めたい考えだ。(台北=石田耕一郎)

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