「闇バイト」使い薬物密輸未遂容疑 アダルトグッズと偽り転送指示か
「闇バイト」を使って違法薬物を密輸しようとしたとして、東京税関は、無職の男(22)=東京都新宿区=を関税法違反(密輸未遂)容疑で東京地検に告発し、15日発表した。同税関は、男が組織的な薬物の密輸・密売グループのリーダー役で、全国で約50件の密輸事件に関わったとみている。
東京税関によると、男は2020年11月~22年3月、フランスや米国、中国など8カ国から15回にわたって、10~30代の男女3人の自宅宛てに麻薬や覚醒剤、大麻など計約800グラムを国際郵便などを使って密輸しようとした疑いがある。同税関は男の認否を明らかにしていない。
男は自らツイッターで「荷受け転送」「高額バイト」「副業募集」などと投稿し、応募してきた男女3人に匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」を使って荷物の受け取りを指示。3人には荷物の中身がアダルトグッズやサプリメントなど合法なものだと知らせ、国内の密売役に転送させていたという。
同税関は、男が闇バイトで募った「転送役」は全国で十数人に上り、1回あたり5千~1万円程度報酬を支払っていたとみている。
男は指定薬物を密輸したとして、昨年8月に近畿厚生局麻薬取締部に医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕、起訴されている。(大山稜)
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