部活の外部指導者への体罰防止研修、義務化は25% 朝日調査

小川崇 塩入彩 編集委員・氏岡真弓
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 公立中の休日の部活動を学校から地域クラブなどに移す「地域移行」が新年度から本格化するのを前に、朝日新聞が都道府県と政令指定市、県庁所在市の計98教育委員会に体罰防止研修の実施状況を聞いたところ、「外部指導者」に参加義務のある研修を実施している教委は4分の1にとどまった。地域移行で学校外の人による指導の機会がさらに増える見通しだが、地域クラブなどの指導者に研修を必ず受けてもらう方向だと答えた教委も4分の1ほどだった。

 取材は昨年12月~今年1月に実施(回答率100%)。外部指導者向けの体罰防止研修の実施状況を尋ねると、「参加義務のある研修を実施している」と答えたのは25教委で、「参加義務のない研修を実施している」は24教委。「体罰防止研修がない」は41教委に上った。一方、教員対象の体罰防止研修については、91教委が参加義務のある研修を実施していた(初任者や10年目など特定の教員向けも含む)。

 外部指導者への体罰防止研修を実施していない理由について各教委に取材すると「予算や人手の不足でそこまで手が回らない」「外部指導者は本業を持っている人に割安な報酬でお願いしているケースが多く、研修などの手間が増えると敬遠される恐れがある」などの回答があった。

 地域移行後の外部団体の指導者への研修についても聞いた。26教委が「体罰防止研修を必ず受けてもらう方向」、13教委が「体罰防止研修に参加できるようにする方向」とし、一定数の教委が移行後も関与を続ける方針を示した。一方、「その他」(検討中など)も56教委と多く、3教委は「研修について特に取り決めなどをする予定はない」と答えた。(小川崇、塩入彩、編集委員・氏岡真弓

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    内田良
    (名古屋大学大学院教授=教育社会学)
    2023年3月19日10時21分 投稿
    【視点】

    外部指導者の質確保は重大な課題です。部活動では教員による練習の過熱や身体的暴力・ハラスメントが話題になりますが、外部指導者がそれらと無縁であるとは限りません。むしろ教員は職場においてそれらを抑止するような意識にふれている一方で、外部指導者の