何を着けるかは私が選ぶ ヒジャブデモ半年、女性たちの静かな抗議
イランで、女性が髪を隠す布「ヒジャブ(ヘジャブ)」の着用をめぐり逮捕された22歳の女性マフサ・アミニさんが急死してから、16日で半年がたった。各地で頻発した若者らの抗議デモは、イランの社会や政治にどんな影響を与えたのか。
3月中旬、首都テヘランの商業施設。若者向けの雑貨店やレストランの前を、長い髪やパーマをかけた髪をあらわにした女性たちが通り過ぎていく。カフェに入ると、客14人と店員1人の計15人の女性のうち、ヒジャブを着けていたのは3人だけだった。全員が20~30代のようだった。
1979年にイスラム革命が起きたイランでは、83年から、女性に対し、外出時のヒジャブ着用を法律で義務づけてきた。2006年には、きちんと着用しているかを取り締まる風紀警察が設立された。
しかし、デモの拡大後、テヘランでは髪を隠さない女性が目に見えて増えた。街頭からは風紀警察の姿が消え、「廃止された」と地元メディアに報じられた。
カフェ店内で、長い髪を出して食事をしていたジム勤務のナグメさん(33)は、風紀警察に数回逮捕されたことがある。それでも、「何を身に着けるかを選ぶのは、私の基本的権利です」と言い切った。
テヘラン近郊に住む30代女性会社員も、「ヒジャブを着けないのも、自由のないこの国に対する女性たちの静かな抗議です」と話す。
街頭での本格的な取り締まりは姿を消した一方で、ヒジャブを着けない女性への注意は行われている。
イランのニュースサイトによ…
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