膨らむ債券の「含み損」、日本の地銀も 米銀破綻で懸念強める市場
高橋諒子
米国で相次いだ中堅銀行の破綻(はたん)をきっかけに、日本の地方銀行の経営に対しても投資家の懸念が強まっている。金利上昇で保有債券の含み損が膨らんでいる、という点が似ているためだ。現時点では信用不安につながるほどの打撃が見込まれているわけではないが、金融庁も地銀の債券運用への警戒を強めている。
米シリコンバレーバンク(SVB)やシグネチャーバンクが経営破綻して以降、東京株式市場でも株安が進んだが、とりわけ値を崩したのが銀行株だった。14日までの2営業日で、銀行株は全体で前週末比11・1%も急落した。
規模が小さかったり、財務の健全性が他行より劣ったりする地銀への懸念が特に強まり、全体の下げ幅の平均を大きく上回る地銀もあった。15日は米国市場が落ち着きを取り戻したこともあり、地銀株も反発した。
米銀2行の破綻は、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅な利上げで、保有する米国債券などの価格が下がったことが一因だった。日本の地銀も似た問題を抱えているとの連想から銀行株が売られた。
地銀の3分の2が「含み損」
確かに、地銀は債券運用で含…