高校野球と長渕剛のライブは似ている 作新学院・小針監督が語る理由

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安藤仙一朗
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(19日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 大分商―栃木・作新学院)

 「原点は、いつも人」。今春の選抜大会に出場する作新学院(栃木)の小針崇宏監督(39)の信念です。母校を率いて17年目。一体感のあるチームを作るためのヒントは、意外なところから得ていました。

 野球はつくづく、人間が軸になっているスポーツなんだと感じます。

 バスケットボールやサッカーは、ボールがゴールに入ることで得点になりますよね。

 でも、野球は違います。得点するのは、ボールではなく人間です。

 ホーム(本塁)から出ていった仲間を、ほかの仲間が無事にホームにかえしてあげることで得点が認められます。仲間同士の一体感が攻撃力にもつながります。試合に出ている選手だけでなく、ベンチやスタンドも家族のように一つになったチームが理想です。

 私の肩書は監督ですが、選手たちの兄貴になることをめざしています。

 一緒にグラウンドにトンボをかけたり、寮の壁のペンキを塗り直したり。最近は、おやじといった方が近いかもしれませんね。

 選手の誕生日なんかには、得意のギターで長渕剛さんの楽曲を弾き語りして披露することもあります

 長渕さんのライブはチームづくりでとても参考になります。なかでも2004年夏に開かれた鹿児島・桜島のライブのDVDは、何度も見返しています。

長渕剛の地元・桜島でのライブは、ファンの中で「伝説」となっている。プロジェクトは、荒れ地13万平方㍍の整地から始まり、開催までに約2年の歳月を費やした。長渕剛が午後9時半から翌朝6時ごろまで、夜通し、ライブ3本分を歌い続け、約7万5千人を動員した。

 宿舎から甲子園にバスで向かうときにも、選手に桜島ライブのDVDをよく見せています。長渕さんの楽曲を聴き始めたのは、筑波大で現役の選手だったころ。たしか、コーチの影響で聴き始めたのかな。

 命がけのライブを完走するた…

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