元大関の貫禄、高安が無傷5連勝 休場明け、実は悲願達成に有利?

清水優志
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大相撲春場所5日目)

 綱とりをめざす大関貴景勝は一気の攻めで竜電を下し、3勝目を挙げた。小結大栄翔、平幕の翠富士、高安、錦富士が5連勝とした。3関脇は総崩れ。大関昇進への足固めをしたい新関脇霧馬山が2敗目を喫し、豊昇龍は黒星が先行。若隆景は勝ち星が遠い。

(○高安ー●宇良)

 大関経験者の面目躍如、といったところだろうか。高安の落ち着きが光る一番だった。

 立ち合いから宇良に厳しい突っ張りを幾度も浴びせ、角界屈指の業師に仕事をさせない。右足を取られかけてもヒラリとかわし、最後は突き落とし。「冷静にできました」と経験の違いを見せつけた。

 先月28日に33歳の誕生日を迎えた。すっかりベテランの域だが、衰えは感じさせない。「体をしっかりつくって臨めている。初場所休場した分を取り返せるように、元気な相撲を取りたい」

 初場所は右ひざを痛め、6日目に無念の途中休場。連続2桁白星で関脇まで戻していた番付を、西前頭7枚目まで下げた。2019年九州場所以来の大関復帰は遠のいたが、賜杯(しはい)争いという面では好機でもある。

 昨年の九州場所では、関脇経験者の阿炎が前場所の全休で西前頭9枚目まで落ち、本割で大関以上と対戦しないまま初優勝を果たした。上位総当たりでない今場所の高安も、星を取りこぼさず終盤戦に臨むことが重要になってくる。

 初日からの5連勝は、昨年の春場所以来。このときは連勝を10まで伸ばしたが、優勝決定戦で若隆景に敗れて初優勝を逃した。「過去の経験をしっかりプラスにして、明日からもベストを尽くしたい」。1年前も前頭7枚目からの優勝争いだった。今度こそ、悲願達成となるか。(清水優志)

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