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　米軍は16日、黒海上空で米軍の無人偵察機MQ9がロシア軍戦闘機スホイ27と衝突したことを巡り、MQ9からの撮影動画を公開した。「危険な妨害行為」の様子をとらえたものだと説明している。映像は順番を変えずに長さを42秒に縮めたものだといい、スホイ27が燃料を放出しながらMQ9に接近し、衝突して、後部のプロペラが破損している様子が映されている。

　映像は、MQ9の機体の後方に向いたカメラで撮影されたものだという。説明によると、スホイ27がMQ9の後方から接近。途中で燃料の放出を始め、吹きかけるようにMQ9の上部を通過する。その際、映像の伝送が中断するが、この時点ではMQ9後部のプロペラは壊れていない。

　その後、スホイ27が再び接近し、燃料の放出を始めながらさらに接近してきてMQ9にぶつかる。映像は約60秒間失われた後、正常に戻り、MQ9後部のプロペラの一つが折れ曲がるように損傷している。

　米軍は、MQ9は損傷後に飛行や制御ができなくなったため、落下させることを余儀なくされたと説明している。オースティン米国防長官は15日の記者会見で「危険で無謀でプロ意識に欠ける」と非難。一方のロシア側は衝突を否定し、墜落の原因は米側にあると主張している。（ワシントン=下司佳代子）