企業乗っ取る「群狼戦術」と経営陣 宝飾店めぐる争奪戦が決着

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編集委員・堀篭俊材
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 大手宝飾品メーカーのナガホリは16日、東京都内で臨時株主総会を開いた。筆頭株主が長堀慶太社長ら全役員の解任を求める議案を提出したことで、経営権の奪取をめぐる経営陣と筆頭株主による委任状争奪戦に発展し、その結果が注目されていた。

 1962年に設立されたナガホリは、結婚記念日に贈る「スイートテン・ダイヤモンド」のブランドで知られる。この数年は業績が低迷するナガホリ株が急騰したのは昨年3月のことだ。200円台だった株価は1年後の現在、1000円台に上昇している。

 昨春までは株主名簿になかった複数の大株主が相次ぎ浮上。別々に株式を買い進め一気に経営権を奪う「ウルフパック(群狼〈ぐんろう〉)戦術を仕掛けられた」と経営陣側は主張していた。

 3分の1を超える上場企業の株式を取得する場合に原則必要なTOB(株式公開買い付け)を避けるため、ウルフパック戦術による企業買収がここ数年増えているといわれる。

 16日の臨時株主総会では、筆頭株主の物販会社リ・ジェネレーションが、ナガホリの業績不振や女性取締役が1人もいないことなどを理由に、全役員の解任と新役員の選出を求めた株主提案をめぐって争われた。

 「不透明な経営が横行してい…

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