第3回解像度の底上げが「存在証明」 懸念と不安、それでも戦争と向き合う

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高島曜介
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 東京大公共政策大学院教授の鈴木一人(すずき・かずと)は日々、膨大な量の報道に目を通す。そしてコメントを添えて、6万7千人のフォロワーがいるツイッターで発信する。

 「これはまずい」

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まる前、最初にそう感じたのは2021年11月15日のことだった。

ロシアが2022年2月24日に始めたウクライナ侵攻は、学者たちにも大きなインパクトを与えました。あの日、何を思ったのか。それから1年、どう過ごしてきたのか。学者たちの「2・24」を伝えます。

 ロシアはこの日、自国の衛星ミサイルで破壊する衛星破壊実験を実施し、多数のデブリ(宇宙ごみ)を発生させた。2日前の11月13日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、国境近くに10万人規模のロシア軍がいると警鐘を鳴らしていた。

 ウクライナを取り巻く環境はどんどん不穏なものになった。「ロシアがウクライナに対する大規模な軍事攻撃を計画中」。米紙ワシントン・ポストは12月3日、インテリジェンス当局から詳細な文書を入手してそう報じた。

 米当局は侵攻前から、積極的にインテリジェンス情報を公表していった。「完全に信用していたわけでもない」と鈴木は言う。

 22年2月24日、ロシアは全面侵攻を仕掛けた。鈴木が抱いた感情は、「ロシアはなんて馬鹿なことをしたんだろう」というものだった。「驚いたが、仰天と言うほどではなかった」

「侵攻」以上に驚かされた「戦い方」

 侵攻という事実以上に驚かさ…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年3月19日10時13分 投稿
    【視点】

    話題の『ウクライナ侵攻・学者達の「2・24」』に拙インタビューが掲載されました。細谷さんのツイッター上での戦いの姿と比べると、なんとも熱さのない話に見えるかと思いますが、こういう視点があってもよいのかな、と思っています。以前キヤノングローバ

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