「互いに案出し合った」放送法解釈めぐり礒崎氏 総務省が新たに公表
放送法の政治的公平性をめぐる行政文書について、総務省は17日、関係者への聞き取り結果を新たに公表した。礒崎陽輔首相補佐官(当時)は「細かいやりとりまで正直覚えていない」とする一方、「お互いに案を出し合って議論していた記憶はある」と説明しているという。
文書には放送法をめぐり、安倍政権下で礒崎氏が解釈の追加を同省に働きかけ、自らも案をつくり文言修正を重ねていった様子が克明に記録されている。
文書には「この件は俺と総理が二人で決める話」との礒崎氏の発言もある。礒崎氏はこれについて、「自分の記憶によれば、意見交換の後に、総務省から『官房長官にも話をしてはどうか』といった話があったので、『それは私の仕事ではなく、総務省の仕事』と伝えた記憶はある」などと、総務省に説明しているという。
一方、2015年2月13日付の高市早苗総務相へのレク(説明)の結果とする文書については、本人が「紙に書かれてある内容のようなレクを受けるはずもない」などと話している。
総務省は17日、この文書の作成者や同席者に聞き取った結果として、2月13日に放送関係の大臣レクがあった可能性は高く、引き続き精査を続けるとした。
文書には礒崎氏らが安倍晋三首相に政治的公平性の解釈についてレクをしたとの記載もあるが、同省は「安倍氏への放送法関連のレクはあったと考えられる」とした。詳しい日付や中身は「精査中」との説明にとどまった。(中島嘉克)

放送法めぐる総務省文書問題
放送法の政治的公平性をめぐる首相官邸側と総務省側の安倍政権下のやりとりを記した内部資料。総務省が公開するまでの経緯や問題点をまとめた特集ページはこちら。[もっと見る]