74歳「ばぁば」が短大卒業 半世紀前に大学落ちたけど「今が正解」
城真弓
20日に卒業式を控える西南女学院大短期大学部(北九州市小倉北区)の学生に、74歳の女性がいる。一度は諦めた進学の夢を半世紀以上たってかなえると、年の離れた同級生たちから「ばぁば」と親しまれながら、2年間勉強を続けた。
福岡県福津市の千代島啓子さん。保育科で学び、「とっても楽しかった」と振り返る。
入学2日目のこと。クラスメートから「何て呼ばれようと?」と聞かれた。「孫からは『啓子ばぁば』て呼ばれよるよ」と答えた。それから「ばぁば」と呼ばれるようになった。
自宅から大学までは電車とバスで片道1時間半。敷地内の急な坂道も元気に歩いて通学した。実習中は、夕食を食べたら早めに就寝。日付が変わるころに起きて、朝方まで日誌を書いた。元気な子どもたちが相手の実習は大変だったが、これまで子どもたちを相手に遊んできたことや、子どもを育ててきた経験が生きた。
大学に行けなかったことは、長年のコンプレックスだった。
高校は県立京都(みやこ)高…