国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は17日、ウクライナ侵攻をめぐって、ロシア軍がウクライナの占領地から違法に子どもを連れ去った戦争犯罪の容疑の責任があるとして、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を出したと発表した。ロシア側が逮捕に応じる可能性は低いが、ICCはロシアによるさらなる犯罪行為を防ぐために逮捕状の発行を公表したとしている。
ICCは、国家間の紛争や国内紛争で戦争犯罪や非人道的行為など最も重大な罪を犯した個人を国際法に基づいて訴追、処罰する。今回は、ロシア大統領府で子どもの権利を担当するリボワベロワ大統領全権代表にもプーチン氏と同じ容疑で逮捕状を出した。ロイター通信によると、ウクライナ侵攻をめぐって逮捕状が出るのは初めて。
ICCの声明によると、プーチン氏らは侵攻を始めた昨年2月24日以降、ウクライナの占領地域で子どもを違法に連れ去る戦争犯罪行為に直接的に関与した疑いや民間人の管理を適切に行わなかった疑いがある。
連れ去られたウクライナの子ども、少なくとも1万6221人
ウクライナ政府によると、今…
- 【視点】
子供の連れ去りがICCの第一件目の訴因となりましたが、これにとどまらず、追加の余罪についても逮捕状がでる(または出ているが非公開)可能性もあります。 子供の連れ去りは継続中かつ拡大を抑止する必要性の高い問題であり、ロシアの一般市民にも
- 【視点】
今回はジェノサイドではなく戦争犯罪としての文民の違法な移送が訴因となっています。 子どもに対するものであることが声明では強調されていますが、この部分を反映する犯罪定義ではありません。 手続が進むにつれて、ジェノサイドの証拠が出てきた

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