「満塁大好き」沖縄尚学4番が一振り 日ごろから1球で仕留める練習
(18日、第95回記念選抜高校野球大会1回戦 沖縄尚学4-3岐阜・大垣日大)
気分は最高潮に達していた。三回。連打などで2死満塁となり、沖縄尚学の4番、仲田侑仁(ゆうと)が右打席に入る。「満塁で回ってこい、とずっと願っていた。よしっと気合が入りました」
思いをバットにぶつける。初球。134キロ直球を振り抜くと、カクテル光線に照らされた白球は、ぐんと伸びた。左中間席への満塁弾で4点を先制。「最高に気持ちよかった」と、アルプス席から指笛が鳴り響くなかベースを1周した。
186センチ、96キロ。昨秋の公式戦は9試合でチームトップの19打点をたたきだした。「走者がいればいるほど楽しくなる。たくさん打点を挙げられるんで」。慣れないナイターでの試合でも、すべて塁が埋まれば集中力はおのずと高まった。
チームは日ごろから、1球で仕留める練習を繰り返してきた。フリー打撃では1球で交代することも。「甲子園では甘い球をいかに一振りで仕留められるかが大事」。1999年にエースとして、2008年は監督として選抜で優勝した比嘉公也監督は狙いを説明する。
それを大舞台で体現してみせ、この日は計3安打と大暴れだ。「次も打ちます。満塁大好き」。九州王者の4番は、頼もしい。(山口裕起)
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