ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は17日、ウクライナから子どもを連れ去った疑いで、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を発行した。プーチン氏が日本などICC加盟国を訪問すれば逮捕される可能性がある。戦争犯罪の容疑者となったプーチン氏の威信はいっそう揺らぎそうだ。(玉川透、パリ=宋光祐)
ICCは声明で、ロシアが昨年2月24日に侵攻して以降、ウクライナの占領地域から子どもたちを違法にロシア国内に連れ去っていると指摘。この戦争犯罪行為にプーチン氏が直接的に関与した疑いがあり、「個人の刑事責任を負うと信じるに足る十分な証拠がある」とした。ロシア大統領府で子どもの権利を担当するマリヤ・リボワベロワ大統領全権代表にも同じ容疑で逮捕状を出した。
ICCは、虐殺など非人道的な行為を犯した個人を裁く世界初の常設国際裁判所として2002年に設立。123カ国・地域が加盟する。対象犯罪が起きた疑いがある場合は関係国が捜査・訴追するのが原則だが、その能力や意思がない場合に補完する。
侵攻をめぐっては、日本など約40の加盟国が昨年3月、ICCに捜査を付託。カーン主任検察官が、民間人の遺体が多数見つかったキーウ近郊ブチャなどウクライナ各地を訪問し、捜査していた。ウクライナは、今年2月末までに少なくとも1万6221人の子どもがロシアに連れ去られたと主張している。
ロシアで「子どもに軍事訓練」指摘
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- 【視点】
戦争犯罪の容疑者、いわば国際的なお尋ね者が、核兵器の発射ボタンを握っているという、大変な状況になったものだ。 ロシアが犯した戦争犯罪につき、プーチン政権の責任を、国際的な司法の場でどう問うかが注目されてきたわけだが、筆頭に挙がりそうなブチ
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