国連、食料輸出「延長合意」 ウクライナは「120日間」発表

ウクライナ情勢

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 国連のグテーレス事務総長の報道官は18日、ウクライナからの黒海を通じた食料輸出に関する協定が「延長された」と発表した。協定は18日が期限だったが、ロシアが従来の半分の60日間だけの延長を主張していた。ウクライナ当局は同日、従来通り「120日延長された」と発表した。

 ウクライナのクブラコウ・インフラ相は18日、フェイスブックでグテーレス氏、トルコのエルドアン大統領ら関係者に謝意を示した。「ウクライナはこれまでも、これからも、世界の経済と市場にしっかり組み込まれていく。より多くの輸出ができれば、世界の多くの国々でインフレのリスクや社会的緊張を取り除くことができる」と記した。

 協定は、ロシアのウクライナ侵攻後に滞った食料輸出を円滑にする狙いで昨年7月、国連とトルコがロシア、ウクライナとそれぞれ合意を締結。昨年11月に120日間延長した。

 国連によると協定締結後、約2500万トンの食料が45カ国に輸出され、世界の食料市場の安定化に貢献している。ロシアは欧米の制裁で自国産の食料輸出が制限を受けているとして、今回は60日間だけの延長を主張していた。

 国連は、ウクライナの食料輸出の協定だけでなく、ロシアの食料や肥料の輸出を円滑化する覚書に対しても「引き続き強く責任を持つ」とし、すべての関係者に合意内容を完全に履行するよう求めた。

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