岸田文雄首相は19日夜、インドを訪問するため、政府専用機で羽田空港を出発した。主要20カ国・地域(G20)の議長国であるインドと「法の支配に基づく国際秩序」を堅持することを確認し、5月に広島で開催する主要7カ国首脳会議(G7サミット)の議論につなげたい考えだ。日本政府はサミットにインドのモディ首相を招待する方向で最終調整している。
岸田氏は20日、モディ氏と会談する予定。両氏の会談は、岸田氏が2021年10月に首相に就任して以来、今回で4回目。岸田氏はロシアによるウクライナ侵攻や中国の海洋進出などを念頭に、G7として「グローバルサウス」と呼ばれる新興国・途上国とも協力し、国際秩序を維持・強化する決意を表明。食料安全保障や開発金融の問題などに取り組む考えも伝える。
インド滞在中は、ルールに基づく「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた新たな計画を発表し、日本が国際社会をリードする姿勢をアピールする。新プランでは、巡視船などの海上安保設備の供与、海上輸送インフラの整備、人材育成といった日本の取り組みを示し、グローバルサウスとの連携強化なども打ち出す。
岸田氏は19日、地元・広島市で開かれた後援会の会合に出席。「インドはグローバルサウスの中心に位置する国だと言われている。国際秩序を作るための協力の道筋を考える際、インドとの協力は欠くことができない。インドとの外交もしっかり進めながら、G7広島サミットの大きな成果に向けて努力をしていきたい」とあいさつした。(鬼原民幸)
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