アイデア浮かびゲラゲラ笑った 「はれときどきぶた」の矢玉四郎さん
あした、空からぶたが降ってきたら……。奇想天外なナンセンスユーモアで世間の度肝を抜いた「はれときどきぶた」の作者・矢玉四郎さんに、物語の誕生秘話を聞きました。
主人公、畠山則安のあだ名「十円やす」は、株式相場の10円安からとった。株が下がって、ありゃりゃっていう感じ。
おれが子供だった昭和20年代は、NHKのラジオであの企業がいくら上がった、下がったと毎日やっていたので、子供もそれを耳にしていた。中学生のときには、お年玉を投資信託に預けて、ちょっともうかったりした経験もある。
シリーズ1作目の「はれときどきぶた」を書いたのは30代半ば。ナンセンス漫画家から転向して、幼年童話を数冊出した頃だった。
「はれときどきぶた」(岩崎書店、1980年、151万部、シリーズ累計380万部) 小学3年生の畠山則安は、日記を盗み読みしている母さんをぎゃふんといわせるため、「あしたの日記」を書くことに。ところが、「えんぴつの天ぷら」「母さんの首がのびた」とでたらめに書いたはずの日記が現実になってしまう。
ぶたが空から降るアイデアは、その数年前に雑記帳に描いた落書きのような絵から生まれた。傘をさしている男の子の上にぶたが何匹か浮かんでいる絵が、なんだか知らないけど、描いてあったんだ。その絵を見て「はれときどきぶた」というフレーズが頭の中に浮かんだときは、自分でもゲラゲラ笑ってしまった。
岩崎書店では「じろきちおお…