クーデターから続く軍主導の政権どうなる? タイ下院解散、総選挙へ
タイの下院(定数500)が20日、解散した。総選挙は5月に4年ぶりに実施される見通しで、詳しい日程は後日、選挙管理委員会が発表する。軍事政権の流れをくむ政権が継続するか、野党第1党のタクシン元首相派の「タイ貢献党」が政権を奪取するかが注目される。
プラユット首相は陸軍司令官だった2014年にクーデターを主導してタクシン派の政権を覆し、暫定首相となった。民政移管に向けた19年の総選挙では親軍政党「国民国家の力党」の首相候補となり、力党を中心とする連立政権の首相に就いた。貢献党は総選挙で第1党となったが、政権獲得を阻まれた。
今回、下院は小選挙区400議席、比例代表100議席で争われる。
親軍勢力は今回は分裂選挙となる。力党内にはもともと、党員でないプラユット氏に反発する派閥があった。首相続投を狙うプラユット氏は自身への支持が広がらない力党に見切りをつける形で、自身の支持者らが結成した新党「タイ団結国家建設党」に入党。力党はプラユット氏の陸軍時代の上官であるプラウィット副首相を首相候補として選挙を戦う。
プラユット氏が下院で首相候補となるには所属する建設党が規定の25議席以上の獲得という壁が待ち受ける。ただ、親軍勢力は政権維持のために選挙後は再び結束する可能性がある。
貢献党は今回も第1党が確実視されている。タクシン氏の次女ペートンタン氏が党の首相候補の一人となる予定で、同氏は世論調査で次期首相にふさわしい人物で1位となっている。
軍政時代に任命された上院議員の動向も焦点に
だが、貢献党が下院で過半数…