強盗殺人事件で死刑判決が確定した袴田巌さん(87)の裁判のやり直しが確定し、無罪となることがほぼ確実になった。「証拠捏造(ねつぞう)」の可能性まで指摘した東京高裁決定に不満を募らせていた検察は、なぜ断念を選択したのか。
「法と証拠に基づいて慎重な検討を重ねたが、(特別抗告する)理由があるとの判断に至らなかった」
東京高検の山元裕史・次席検事は20日夜に開いた臨時会見でそう語った。詳細な理由などは「差し控える」と繰り返した。
「やばいという話は聞いていない」。13日の東京高裁決定前、検察幹部は自信を見せていた。関係者によると、再審開始決定は想定外だったという。
「放棄する選択肢ない」
特別抗告できる期間は平日の…
- 【提案】
「あたかも常に有罪そのものを目的とし、より重い処分の実現自体を成果とみなすかのごとき姿勢となってはならない」――この『検察の理念』は、もはや死文化しているのではないかと懸念していたが、検察はギリギリのところで踏みとどまった。 今月17
- 【視点】
「死刑を決めるのは人間という前提で考えれば、死刑(制度)はとんでもないと思う」。記事によると、記者会見で弁護団の小川秀世弁護士は、死刑制度の問題にも言及したといいます。死刑存廃論議を深め、前に進める契機として欲しいと思います。 死刑廃