【詳報】日本、米国との決勝へ 村上宗隆が劇的な逆転サヨナラ二塁打

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 第5回ワールド・ベースボール・クラシックWBC)は20日(日本時間21日)、米マイアミのローンデポ・パークで準決勝の残り1試合があり、3大会ぶり3度目の世界一を目指す日本代表「侍ジャパン」は6―5でメキシコに逆転サヨナラ勝ちした。

 21日(同22日)の決勝で、2連覇をねらう米国と対戦する。

 日本の決勝進出は2連覇を成し遂げた2009年の第2回大会以来。

村上宗隆「悔しい思い、チームメートが助けてくれた」

 日本は0―3の七回に吉田正尚(レッドソックス)の3ランで同点に。

 八回に再び2点のリードを許したが、その裏、1点差に迫り、九回無死一、二塁で、村上宗隆(ヤクルト)の中越え適時二塁打でサヨナラ勝ちした。

 ここまで3三振を喫しながら、最後、勝負を決めた村上は「何度も三振をして何度も悔しい思いをして、その中でチームメートが助けてくれた。チーム一丸となった勝ち。その期待に応えられてよかった。最高の決勝戦にしたいです」とヒーローインタビューで語った。

 【九回裏】

 1点を追う展開で、3番大谷翔平の右中間二塁打を足場に無死一、二塁。

 村上宗隆が中堅フェンスに直撃する逆転の2点適時二塁打を放って、逆転サヨナラ勝ちした。

 【九回表】

 4番手の大勢が走者を1人出したものの、無失点に抑えて九回裏の攻撃につなげた。

山川穂高の左犠飛で追い上げ

 【八回裏】

 日本はすぐさま反撃した。

 1死二、三塁から代打山川穂高の左犠飛で1点を返し、4―5とした。

 なおも2死一、二塁と攻めたが、近藤健介が見逃し三振に倒れた。

 八回を終えて、日本は1点のリードを許している。

 【八回表】

 山本由伸は1死後、1番打者から2者続けて二塁打を許して、1点を勝ち越された。山本は次打者にも安打を許して、一、三塁としたところで降板した。

 湯浅京己が3番手でマウンドへ。

 4番打者を空振り三振にしとめたものの、次打者に左前適時打を浴びて5点目を失った。

 日本は八回表を終えて、3―5とリードを許した。

吉田正尚、値千金の同点スリーラン

 【七回裏】

 日本の反撃がようやく実った。

 2死から近藤健介の右前安打、大谷翔平の四球で一、二塁の好機。4番・吉田正尚が低めの変化球をすくい上げると、右翼ポール際へ落ちる同点3ランとなった。

 吉田はこの日、3安打目。

 七回を終えて、日本は3―3と追いついた。

 【七回表】

 山本由伸は1死から四球を与えた。

 次打者を空振り三振にしとめた際、二盗をしかけられ、一度は「セーフ」の判定。だが、リプレー検証で、送球を受けた遊撃手、源田壮亮のタッチが認められ、判定が覆ってアウトになった。

 【六回裏】

 日本は五回に続き、2死満塁の好機を作ったが、8番源田壮亮が左飛に打ち取られ、本塁を踏めなかった。

 【六回表】

 2番手の山本由伸は制球がさえ、三者凡退に抑えた。

メキシコのレフト、再三の好守備が光った

 【五回裏】

 先頭の6番岡本和真が、あわや本塁打かという大飛球を左翼フェンス際へ放ったが、跳び上がった左翼手に好捕された。

 その後、7番山田哲人の右前安打と二つの四球で2死満塁の好機をつくったが、2番近藤健介が左飛に倒れた。

 五回を終えて、日本は0―3とリードを許している。

 【五回表】

 日本先発の佐々木朗希は4回3失点で降板した。

 五回からは山本由伸(オリックス)がマウンドに上がった。

 2死から1番打者に四球を与えたが、後続を内野ゴロに打ち取った。

 【四回裏】

 1死から2番近藤健介が右前安打。2死後、4番吉田正尚が左前安打を放って、一、三塁の好機をつくったが、続く村上宗隆が見逃し三振に倒れて、無得点に終わった。

 【四回表】

 試合が動いた。

 佐々木朗希は2死から連続安打を浴びて、一、二塁のピンチを背負うと、6番L・ウリアスに左越えの3点本塁打を許した。

 打たれた直後、佐々木朗希はマウンドでしゃがみ込んだ。

 四回表を終えて、日本は0―3とリードされた。

 【三回裏】

 1死から8番源田壮亮がセーフティーバントで揺さぶりをかけたが、相手投手にさばかれてアウトに。

 三回を終えて0―0の投手戦となっている。

 【三回表】

 前のイニングでライナーが腹部に当たった佐々木朗希は落ち着きを取り戻し、三者凡退に抑えた。

 【二回裏】

 先頭の吉田正尚が中前へチーム初安打を放ったが、後続が倒れて先取点ならず。

 【二回表】

 佐々木朗希は1死から初安打を許した後、次打者のライナーが腹部に直撃(投手強襲安打)。1死一、二塁のピンチを招いたが、7番打者を遊ゴロ併殺打にしとめた。

 【一回裏】

 日本はメキシコ先発の左腕サンドバルの前に3者連続三振に倒れた。

 【一回表】

 日本先発の佐々木朗希は立ち上がりから160キロ台を連発。空振り三振、左飛、空振り三振と三者凡退に抑えて、順調に滑り出した。

     ◇

 始球式には、西武や大リーグなどで活躍し、第1、2回のWBCでMVPに輝いた松坂大輔さんが登板。マウンドには上がらず、手前の芝から力強い高めの直球を投げ込んだ。

 松坂さんは「最初グラウンドに入るまではそんなに緊張しなかったですけど、名前を呼ばれてマウンド付近に行った瞬間に、めちゃくちゃ緊張しました。ほっとしました。グラウンドの緊張感はもう味わえないと思っていました。久しぶりに味わえてなんかうれしかったです」とコメントした。

 試合に先立ち、両チームの先発メンバーが発表された。先発投手は佐々木朗希(ロッテ)。佐々木の前回登板の1次ラウンドチェコ戦で捕手だった甲斐拓也(ソフトバンク)に代わり、中村悠平(ヤクルト)がマスクをかぶる。16日の準々決勝イタリア戦に続き、4番に吉田正尚(レッドソックス)、5番に村上宗隆(ヤクルト)が入った。

日本代表は次の通り。

①(中)ヌートバー(カージナルス)

②(右)近藤健介(ソフトバンク)

③(指)大谷翔平(エンゼルス)

④(左)吉田正尚(レッドソックス)

⑤(三)村上宗隆(ヤクルト)

⑥(一)岡本和真(巨人)

⑦(二)山田哲人(ヤクルト)

⑧(遊)源田壮亮(西武)

⑨(捕)中村悠平(ヤクルト)

 (投)佐々木朗希(ロッテ)

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2023年3月21日12時3分 投稿
    【視点】

    期待通りというか、期待以上の劇的な展開で、思わず家族で大騒ぎしてしまいました。ふだんは野球を観ない人たちも、大谷翔平選手ら魅力的な注目選手がそろった今回のWBCにくぎ付けになっています。きょうの視聴率、はたしてどこまで伸びたのでしょう。決勝

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