けがで選手断念した慶応マネジャー 「僕はチームの顔」と思えるまで

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山口裕起
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 (21日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 宮城・仙台育英2―1神奈川・慶応)

 やっぱりきたか。そう思った。

 1年前の2022年3月。慶応の大鳥遥貴(はるき)は、練習中に森林貴彦監督(49)に呼ばれた。

 「マネジャーをやってみないか」

 男子校の慶応では毎年この時期、選手の中から1人、マネジャーを選ばなければいけない。

 その2カ月前、監督から「希望者は名乗り出てほしい」と呼びかけがあったが、同学年の37人は誰も手を挙げなかった。

 「ケガをしている僕に声がかかるかもと覚悟はしていたんです」。でも、いざ告げられると、すんなりとは受け入れられなかった。

 「嫌です。野球をやりたいです」

 そう言って、断った。

 仲間たちとは別メニューの練習を、高校に入学した直後から続けてきた。高校1年の4月。練習で走っていると、体中に電気が走る感覚に陥った。中学生のころから痛めていた腰が悪化したのだ。

 腰椎(ようつい)分離症。診断した医師から「半年間、絶対安静にしても、完治する可能性が30%」と言われた。

 頭が真っ白になった…

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