大谷翔平の雄たけびで始まり、村上宗隆が決めた 侍ジャパンの逆転劇
(WBC、日本6―5メキシコ)
日本代表「侍ジャパン」の鮮やかな逆転サヨナラ勝ちだった。
きっかけはやはり大谷翔平(エンゼルス)。九回、先頭打者として右中間へ二塁打を放った。打球の行方に視線をやって、一塁ベース手前でヘルメットを脱ぎ捨てた。“身軽”になってスピードを上げ、二塁に到達すると、味方ベンチに向かって雄たけびだ。
「フォアボールでも良いと思って、甘いコースだけ打ちたいと思っていた。必ず塁に出ると決めていましたけど、セカンドまで行けたのが大きかった」。試合後のインタビューでそう振り返った。
七回に一時同点となる3点本塁打を右翼ポール際に放った吉田正尚(レッドソックス)は四球で歩く。無死一、二塁。
打席に入ったのは、悩める主軸・村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)だ。準々決勝のイタリア代表戦で2安打し、復調の気配があったが、この日はここまで4打数無安打。真ん中の球を空振りするなど、走者を置いて3三振の重症だった。
「もう何度も三振をして、何度も悔しい思いをして、その中でチームメートがすごい点をとってくれて助けてくれて、最後に打席が回ってきた」
村上は試合後、苦しい気持ちで打席に向かったことを明かした。昨季最年少で三冠王に輝いた23歳が、このままで終わるわけにはいかなかった。
カウント1―1からの3球目。151キロの直球をセンター方向へはじき返した。打球はフェンスを直撃。大谷に続いて、吉田の代走・一塁走者の周東佑京(福岡ソフトバンクホークス)が俊足を飛ばして、サヨナラのホームに滑り込んだ。
チームメートから手荒い祝福を受けた村上。「最後は僕が決めましたけど、本当にチーム一丸となった勝ちかなと思いますし、期待にこたえられて良かったです」。ほっとした表情を見せつつ、日本の決勝進出を心から喜んだ。
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