(WBC準決勝、日本代表6―5メキシコ代表)
「ちょっとバントも頭によぎったんです」
4―5で迎えた九回。2人が出塁した時点で、村上宗隆(23)=ヤクルト=は、自分が犠牲になろうと覚悟した。それがチームにとって最良の選択だと考えた。
昨季、プロ野球史上最年少の「三冠王」に輝いた。昨年11月の強化試合から日本代表の4番を担ってきた。
だが、例年、この時期はペナントレース開幕へ備える期間。重圧のかかる国際大会に打撃の状態をピークに持ってくることはやさしくなかった。1次ラウンドの4試合で放った安打は2本だけ。シーズン56号を目前に足踏みした昨季終盤と状態が似ていた。準々決勝から打順は5番に下げられていた。
「彼を信じる気持ちは…」
この日も4打席3三振と全く…

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