韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は21日、大統領府の会議で、過去の日本の植民地支配をめぐって「日本はすでに数十回にわたって我々に反省と謝罪を表明している」と述べた。国民に向け、徴用工問題の「解決策」の発表や首脳会談を経た関係改善の動きに理解を求め、「これからは日本に堂々と自信を持って接していかなければならない」と訴えた。
韓国政府は日韓の懸案となった徴用工の訴訟の問題で、日本企業が命じられた賠償分を傘下の財団が肩代わりする「解決策」を6日に発表。日本政府は植民地支配への「反省とおわび」を盛り込んだ歴代内閣の歴史認識の継承を表明した。16日には尹氏が訪日して岸田文雄首相と会談し、ほかの懸案の一部についても正常化することで一致した。
尹氏は21日の会議で、「解決策」は賠償問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みとする日本政府の立場と、日本企業に賠償を命じた韓国の判決を「同時に満たす折衷案」とし、「徴用被害者と遺族の痛みが癒やされるように最善を尽くす」と述べた。
尹氏は、岸田氏が首脳会談の…
- 【解説】
閣議での冒頭発言という形式をとってはいるものの、実際には、野党はじめ左派陣営の攻撃をかわすため、大統領自らが発した国民へのメッセージだろう。異例の長さの20分以上におよび、テレビで生中継されたという。 その発言の中でも特筆すべきは、5